デマンドレスポンス(DR)導入は、電力需給調整の安定化への貢献と需要家の収益向上を両立します。
導入は主に下記の7ステップとなります。
これにより、電気料金削減や再エネ活用を促進し、需要家の環境貢献にも繋がります。
自家発電機や蓄電池は、下げDR(電力抑制)の主要なリソースです。
DR発動時に、電力会社からの受電量を減らす代わりに、自家発電機を稼働させたり、蓄電池に貯めた電気を放電したりして、電力需要を賄います。これにより、電力系統の負荷を軽減すると同時に、需要家はインセンティブを獲得できます。
工場などの生産ラインは、DRで大きな電力抑制の余地(ポテンシャル)を持つ設備の一つです。
下げDR発動の要請があった際、生産計画を前倒しまたは後ろ倒しでシフトしたり、優先度の低いラインを一時的に停止したりすることで電力消費を削減します。自動制御システム(自動DR)を導入すれば、生産影響を最小限に抑えながら対応が可能です。
空調は建物や施設における電力消費の大半を占めるため、DRにおいて非常に重要です。
下げDRでは、設定温度を許容範囲内で数度調整したり、一時的に運転を停止・抑制したりします。また、上げDRでは、電力供給が過剰な時間帯に積極的に空調を稼働させることで、電力需要を創出します。
蓄熱槽は、主にビルの空調システムに組み込まれ、DRに活用されます。電力需要が低い時間帯(主に夜間)に熱源機を稼働させて水や氷の形で熱を蓄え、電力需要のピーク時に蓄えた熱(冷熱・温熱)を利用して空調を賄います。これにより、ピーク時の電力消費を抑制し、下げDRに対応することが可能です。
DR発動時の電力抑制が、需要家のコアな業務や生産活動に悪影響を及ぼさないかを事前に徹底的に検証する必要があります。特に生産ラインの停止や空調の大幅な調整は、品質低下や従業員の快適性低下に直結します。
手動制御では不履行のリスクもあるため、影響を抑えつつ確実に抑制を達成するための自動制御システムの導入と明確な運用マニュアルが不可欠です。
DRはインセンティブ獲得が目的の一つですが、システムの初期投資や運用コストを上回る経済効果が得られるかを見極める必要があります。
また、アグリゲーターとの契約において、ベースライン(抑制量の基準)の算定方法、発動頻度の上限、不履行時のペナルティなど、詳細な条件を厳しくチェックし、自社に不利な条件がないかを確認することが重要です。
DRは、電力需給安定化と需要家の収益向上を両立する戦略です。導入は、現状分析からシステム構築、実効性テストを経て運用に至る7ステップが基本となります。
自家発電機や空調を活用し、電力抑制で報酬を得ますが、業務影響と契約条件の確認が重要です。DRは、コスト削減と再生可能エネルギー活用を推進する、持続可能な経営に不可欠な取り組みです。
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