省エネ法(エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律)は、エネルギー資源の有効活用と地球温暖化対策を目的に制定されました。
2023年4月に改正され、以下の3つが、省エネ法の柱となりました。
一定規模以上の事業者に、取り組みの報告や計画策定を義務付けています。
改正により、「合理化」の対象が従来の化石エネルギー(石油、石炭など)から、非化石エネルギー(太陽光発電の電気、水素など)を含むすべてのエネルギーに拡大されました。
これは、脱炭素化を進める中でも、電気や熱を無駄なく効率的に使う「省エネの深掘り」を徹底することが引き続き重要であるとの認識に基づくものです。特定事業者等には、エネルギー消費原単位を、5年度平均で年1%以上低減することが、努力目標とされています。
2050年カーボンニュートラル実現に向け、化石エネルギーから非化石エネルギーへの転換が新たに法律の柱となりました。
特定事業者などに対して、電気使用量全体に占める非化石電気の割合に関する目標設定と、その達成に向けた中長期計画の策定、および取り組み状況の定期報告が義務付けられました。
これにより、事業者は再エネ導入や非化石証書の活用などを進め、エネルギー構造の脱炭素化を加速することが求められます。
電力システムに大量の再生可能エネルギー(再エネ)の大量導入が進む中、電力の需給バランスを調整するため、「電気需要の平準化」から「最適化」へと考え方が変わりました。
これは、電力需給が逼迫する際に需要を抑制する「下げDR」に加え、再エネが大量に発電され供給が余剰となる場合に、蓄電池への充電などで需要を増やす「上げDR」の取り組みを促すものです。特定事業者には、DRの実績報告が求められています。
2023年4月に施行された改正省エネ法は、電力システムの安定化と再エネ導入拡大のため、DRの促進を強化しました。
これにより、電気の需要を時間帯や需給状況に応じて制御する「電気需要の最適化」が新たな柱となり、特定事業者等にはDR(下げDR・上げDR)の取り組みとその実績を報告することが義務付けられています。
これは、電気の「賢い使い方」を事業者に促し、DRをエネルギー対策の重要な手段と位置づけるものです。
省エネ法改正は、日本のエネルギー政策が「脱炭素化」と「電力安定化」という新たなフェーズに入ったことを明確に示すものです。
従来の化石エネルギーの効率化という役割を超え、すべてのエネルギーの合理化、非化石エネルギーへの転換、そして電気の需要の最適化という3つの柱を事業者に義務付けました。特に、再エネの主力電源化に伴い、電力の需給を需要家側から調整するDRを法律上の重要事項と位置づけ、その実績報告を求めることで、「電気をいつ使うか」という柔軟な電力利用を社会全体で推進します。
この改正は、需要家に対し、単なるコスト削減を超えたサステナビリティ経営と、電力システムの安定供給への貢献を一体で進めることを求めています。
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